お知らせ

インプラントと金属アレルギーについて

2021.9.29

目次

こんにちは上尾の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 上尾診療所」歯科医師の中川です。
今回はインプラントと金属アレルギーについてお伝えしたいと思います。

金属アレルギーとは

〇金属アレルギーの仕組み

金属成分が微量に溶け出し、その金属がイオン化し体のタンパク質と結びつき、それを異物と体が過剰に反応してしまうと金属アレルギーの症状が出てきます。

〇金属アレルギーを起こしやすい金属

金属成分が溶け出しやすい金属がアレルギーになりやすいといえます。
ニッケル、コバルト、水銀、クロム、銅、スズなど

〇金属アレルギーが起こると

原因となる金属に接触してすぐ~数日後に赤みやプツプツができたり(じんましん、湿疹のような症状)、腫れやかゆみが出てきたり、ひどい時には発熱や全身の倦怠感などの症状が出る人もいます。

〇金属アレルギーを起こしにくい金属

合金でない金、銀、プラチナ、チタン

〇純チタンがアレルギーを起こしにくい理由

チタンは酸素との結びつきが強く、表面に薄くて安定した酸化膜を作ります。この酸化膜により金属イオンが溶け出さないことによります。

〇市販のチタン製品とアレルギーについて

チタンのアクセサリーには、次のようなものがあります。
・オール純チタン
・チタン合金
・チタンとその他の金属の組み合わせ

市販のチタン製品についてオール純チタンというわけではなく、ほかの金属との組み合わせで作られており、ニッケル、クロム、亜鉛、銅など、アレルギーを起こしやすい金属を含んでいる場合があります。
なのでチタン製のアクセサリーだからといってアレルギーがないという訳ではありません。他の金属成分でアレルギーになってしまう場合があります。

インプラントと金属アレルギー

〇インプラントと金属アレルギーについて

インプラントはチタンを用いています。インプラント体にも色々種類があるのですが、例えば当院ではストローマンのインプラント体を使っています。その成分を見てみると純チタンまたはさらに強度を上げたチタン85%ジルコニア15%のインプラントを用いています。ジルコニアは金属アレルギーの患者さんに金属の代わりに代用される材料です。

〇チタンの歯科以外での医療への応用

ペースメーカー、骨折治療用の固定ボルト、人工関節など

このようにチタン自体の金属アレルギーを引き起こしづらいという性質で医療の色んなところでチタンという材料が応用されています。

しかし、必ずしもチタン自体にアレルギーを引き起こさないという訳ではありません。
チタンでアレルギーが発症してしまうというのは歯科のインプラントに限らずチタンを用いた医療で稀に起こる可能性があります。

金属アレルギーが心配な方へ

インプラント治療開始前に皮膚科などでパッチテストを行うことをお勧めします。
インプラント体を埋入後金属アレルギーの症状が出た場合インプラント体を撤去しないといけない場合があります。
稀ではあるのですが、チタンでアレルギーを発症しないとは言い切れないのが現状です。
金属アレルギーをお持ちの方、また金属アレルギーに対して不安に思っている方は事前にパッチテストを行うことで安心して治療を受けて頂けたらと思います。

今回はインプラントと金属アレルギーについてお話しました。

*また今はストローマン社でストローマンPURE100%ジルコニアインプラント体も出てきています。チタン等の金属を一切使っていないため、金属アレルギーの方でも治療が可能です。ジルコニアはチタンと同様に骨と結合することが分かっており、マイクロレベルで表面がなめらかであることも特徴。生体との親和性も高くなっています。

このように金属アレルギーの患者さんでもインプラント治療が可能な材料がでてきていますので、
インプラント治療をしたいけれどアレルギーが心配、気になる、相談したいという方は是非当院までご相談ください。

上尾の歯医者「医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 上尾診療所」

JR高崎線・湘南新宿ライン・上野東京ライン
上尾駅西口より徒歩3分